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ヌカとルミ(さかさまのシャツの従姉)
超短篇歌物語「ヌカとルミ」は“一話” から始まっていますが、どこから読んでもいいし、すべて読む必要もありません。
20100508
九話
左右サイズの違う足にそろえると、いらない靴がひと組余る。
私を鏡に映したもう一人がそれを履いて夜出かけるのです。
めざめた瞬間が、巻き戻されたテープの巻頭であるかのように、物音も立てず戻ってきているもう一人。
彼女のために捨てられずにいるのよ、とあなたは押入れの隙間をそっと覗かせてくれる。
けれどさしこむ部屋あかりは、身を乗り出すあなたの影で覆われていた。
滝になるほどの坂しかない朝の雨の住宅地の地図をかく
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歌物語=短歌+物語。
作・我妻俊樹
http://iddy.jp/profile/agtm/
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